アレルギーフリー住宅

アレルギーフリー住宅とは、簡単にいえば、アレルギー疾患の原因となるアレルゲンを全て排除した住宅です。人の暮らす所には、必ずアレルゲンが発生します。アレルゲンの種類や、アレルギー疾患の種類など、アレルギーを十分に理解した上で、アレルゲンを極力減らす対策をしたいものです。

大きく変わった戦前と戦後
アレルギー疾患有病者が戦後に増加したのは、長い日本の歴史の中でも、私たちの暮らしが、戦後の短期間に大きな変化があったことも一要因ではないでしょうか。暮らしの変化は、日本人が伝統的に食べてきた食事と全く違うものを食べ始め、住宅も伝統的な自然素材だけで作られた換気の良い住環境から、化学物質を大量に使用し、高気密・高断熱の住宅へと大きな変化がありました。これらの短期間で大きな変化に身体が順応できずに、アレルギー反応として身体に現れてきたのではないでしょうか。

住宅が原因のアレルギー疾患
花粉症
気管支ぜん息
アレルギー性鼻炎
アレルギー性結膜炎
アレルギー性気管支炎
アトピー性皮膚炎
食物アレルギー
シックハウス症候群
化学物質過敏症

住宅アレルゲン一覧
・ハウスダスト
繊維クズ、食べカス、ダニ、カビ、花粉などの集合体の埃・塵
・ダニ
チリダニ、ツメダニ、コナダニ、ニクダニなどの虫体、死骸、抜け殻、糞
・カビ
コウジカビ、アオカビ、クロカビ、ススカビ、フザリウム、ワレミアなど
・ペット
犬、猫、小鳥、ハムスターなどの上皮、アカ、排泄物、毛など
・花粉
スギ、ヒノキ、ブタクサ、カモガヤ、ヨモギ、イネ、シラカバなど
・化学物質
電磁波、揮発性有機化合物、農薬、防虫剤、水道残留塩素、食品添加物など
・その他
羊毛、絹、ソバガラ、昆虫、PM2.5、大気汚染、煙草、生活習慣など

アレルギーフリー住宅は、住宅に使用する建材だけででなく、敷地や間取り、インテリア、給排水衛生設備、電気設備などにもアレルゲンが含んでいない製品、およびアレルゲンが溜まらないように計画しなければなりません。

インテリアにおいては、ホコリが溜まりやすい部分を徹底的になくした上で、掃除がしやすいデザインと素材の選択が必要不可欠です。

アレルギーフリーの住宅を計画することで、アレルギー症状を緩和できる可能性が高くなります。